北京見聞録

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民國の名媛~王敏彤~

ほぼ一年間、放置状態だったブログ。最近は習い事に忙しく、じっくり書く時間もなくて。
今年は世界情勢がまさかの展開でした。。
でもこうしてblogを書けるのは幸せなことだ思います。 
今使っているwifiを年末でいったん解約するので、暫くはパソコンが使えなくなります。
それでいつかblogに載せようと思っていたことを駆け足で綴ります。


      

写真を見てすっかり虜になってしまったこの可憐な女性は王敏彤(wang mindan ワン・ミンタン)(1913年一2003年)という満州貴族の女性です。


彼女の生母はなんと乾隆帝から直系五代目の子孫にあたるという高貴な家柄の出。
そして敏彤はラストエンペラー溥儀の皇后・婉容の従妹でもあります。


皇后婉容も美しいのですが、私は敏彤が持つ清楚な美しさ、気品、写真でも窺いしれることのできる優しい人柄、誠意、内に秘めた情熱や意思の強さを感じました。
(彼女の事をもっと知りたいと思いつつ、日本では書籍がないので資料はもっぱら
 中国のネット記事のみ)


       

こちらの写真で彼女と一緒に写っているのはかの梅蘭芳の愛人だった孟小冬(右側・椅子に座っている)だそう。
親しく交流があったという二人。仲良くなるきっかけはなんだったのか。


孟小冬は京劇役者だったので、彼女のお芝居を見て紹介されたのだろうか?
当時、裕福なお屋敷に出向いて芝居をすることはよく行われており、また二人の家も近かったそうです(東四三条胡同)


二人が仲の良かった証拠として敏彤の衣装をそっくりそのまま(髪飾りまで)
孟小冬も着用してます。(*一枚目の敏彤と二枚目の孟小冬の衣装に注目) 
きっと着せてあげたのでしょうね。これは貴族だけに許された服装ですから。


      

そしてまた敏彤が京劇扮装している写真もあるのですが(可愛い><!)、
これはきっと小冬が彼女に着せ、ついでにポージング指導もしてあげたのではないか。。
と推察します。 


 

幼いころの敏彤  すぐ隣が溥儀の側室文绣と一人おいて皇后婉容 THE・上流階級
   

      

    楚々とした儚げな雰囲気がまるで大正時代の抒情画のヒロインみたい。

                         

  こんな可愛らしい女性ですが、良縁がたくさんあったにもかかわらず生涯を
  独り身で過ごされました。


     

溥儀に片思いしていたという話もありますが、、溥儀の側は特に彼女に興味はなく、
実りませんでした。


      

  中年のころ 名家の大格格(dagege=長女 ターグーグー)として家族を見守った


でも同世代の満州族のお姫様たちがたどった運命を思うと幸せだったのではないかとかえって思います。厳しい時代を生き抜かれました。

    

        晩年


最後は近所のお世話する方が老人ホームへ入居させてから1週間ほどでお亡くなりになったそうです。 2003年に90才で天寿を全うされました。
   
       私が北京にいた頃にまだご健在だったと思うと感慨深い。    

       


・・・姿見の縁取りの装飾とかすべてにおいて美しい時代だなあ
     

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